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泉美木蘭
2016.8.24 15:42

もし私がヤラセの貧困報道を担当する人間だったら

もし私がヤラセの貧困報道を担当するディレクターだったら、
撮影前に、貧困女子高生として顔出ししてくれるという子の家に
下見に行って、部屋を見せてもらった段階で、

「あらー、けっこう部屋に物がありますねえ。
ちょっとアニメグッズも多いかなあ。
これじゃ貧乏に見えないから、この部屋で撮るのは難しいかな。
もっと古くて狭い部屋はありませんかね?
物置きがわりにしてる4畳半の和室? ああ、いいですね、
ここ、エアコンもないし。その奥の薄型テレビって片付けること
できます? 無理ならタオルケットをかけるとか。
いや、そういう新品のじゃなくて、洗濯もののような感じに見える
ものがいいんですが。
で、座卓の前に座っていただいて、そこに例のキーボードを置いて、
話してもらえますか?」

とか、やるけどな。
それがネット民の想像するレベルの「貧困」なんでしょ。
だったら、ヤラセをするなら、そのレベルに合わせますよ。

貧困家庭に物があふれている例はよく知ってる。
べつに本人の問題でなく、そうなってしまう現象も起きる。
体感でも話せることもあります。
またライジングで書きます。

連載はじめたばかりの「わたくしの人たち」のほうが、
どんどん間があいちゃうけど、あれは小説だから、
1回ずつ読み切りで楽しめるように書けばいいのさっ。


泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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